2010/04/12

法学とITエンジニア

私は、法学部出身のITエンジニアです。時々、法律と直接関係のないエンジニア職についたことに疑問をもたれることがあります。エンジニア職についたこととは直接関係ありませんが、仕事の進め方や考え方は、かなり似ている部分があります。抽象化してしまえばほとんどの知識労働に当てはまりそうですが、両者とも問題解決のプロフェッショナルであることに違いはありません。
  1. 解決対象の問題を特定する
  2. モデルを適用または創造して問題を解決する
1. 解決対象の問題を特定する
全ての問題が、法律やITで解決するわけではありません。顧客の要求は、曖昧で漠然としており、時として間違ってもいます。また、現実世界はあまりも複雑です。銀の弾丸はありません。法律やITで解決すべき問題とそうでない問題とを切り分けて、解決対象の問題を特定します。

2. モデルを適用また創造して問題を解決する
法律や判例はモデルです。社会で起こるすべてのことを事細かに規定することはできません。さらに社会は常に変化しているので、事細かに決めすぎると変化に対応できなくなります。そのため、抽象的な記述(=モデル)が必要です。法解釈学は、モデルの適用方法を考える学問であり立法学は、モデルの創造方法を考える学問と言えます。

IT分野においてのモデル適用は、皆さんご存知の通りです。GoFのデザインパターンにはじまり、アーキテクチャパターンなども提唱されています。私を含めて多くのITエンジニアが、統一モデリング言語(UML)を使ってモデル化とモデルの適用を実践しています。

いろいろなモデルのメリット/デメリット、対象のケースに適応する場合の個別具体的な課題などを考慮して、限られた時間とコストの中で実現可能な解決策を実施していくことになります。

0 件のコメント:

コメントを投稿